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こじんてきなたいけん。

大江健三郎の「個人的な体験」を読みました。
読むのに3日間くらいかかった・・・。
大抵の小説は半日くらいで読み終わっちゃうので、私にしては時間がかかりました。
(小説は読み終わるまでその世界から抜け出せないから読むの早いです。)
あんまり読むと疲れて。性的な表現も多いし。
文学もたまにはいいけど、ほんと疲れますね。

主人公は終始、渾名である鳥<バード>と呼ばれています。
扱われている事柄自体は、一冊まるまる引っ張るほどの事でもないように思えてきますが、
テーマはそこにみつけるものではありません。
著者自身、あとがきで、「これは青春小説である」と明言しているけれど、
その通りだと思います。

個人が個人の責任を負う決断を下す瞬間とは、このように、まさに唐突の事変で。
思い知らされました。
でも、成熟・自立するという事がこのような事象を指すのならば・・・。
私は自己欺瞞に溺れて、現実から逃げている状態を、むしろ望むでしょう。
決断とは犠牲を孕むものである事を思い知らされました。

正直読むんじゃなかった・・・と思いましたが・・・
芥川龍之介とか太宰治とか三島由紀夫とか読みたくなりました。
by sentire | 2005-08-05 00:00 | ごほん。
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